静岡県磐田郡二俣町(現浜松市天竜区)出身の女流日本画家、「秋野不矩」の作品を所蔵する美術館。
50代でインドに赴任して以降、インドを題材とした作品を多く手掛ける。美術館は1・2ヶ月ごとに展示作品が切り替わり、秋野不矩が手掛けた挿絵やインドの土地・風景など、その時期その時期のテーマに沿って作品を鑑賞できる。
天竜の自然の中に溶け込む建築は、建築家「藤森照信」が手がけたもの。建築を求めて訪れる人も多いという。
編集部レポート
秋野不矩の作品を、裸足で鑑賞する特別なギャラリー
1908年に天竜二俣に生まれ、1962年54歳でインドに滞在した以降インドに魅せられた画家「秋野不矩」。2001年、93歳で亡くなるまで精力的に絵筆を続けた。
美術館には珍しく、履物を脱いで展示室に進む珍しいスタイルを取るのも秋野不矩美術館の特徴。靴下で回る人も多いが、編集部としては素足での移動をおすすめしたい。
廊下のように続く第一展示室は籐ござが、その先の第二展示室には大理石が敷き詰められており、足裏からも自然のぬくもりを感じられる。
展示室は撮影NGとなっているため、様子は秋野不矩美術館の公式HPにて確認を。
地元産天竜杉を利用、建築家・藤森照信が手掛けた建築にも注目
秋野不矩美術館は、貯蔵する作品だけでなく、それを守る建築にも特徴が。
建築家「藤森照信」が手掛け、床、壁、柱、窓から入る光など、その空間全てから自然のぬくもりを感じられる。
こちらは外観。屋根は長野県諏訪産の鉄平石で葺かれ、外壁はワラと土を混入した着色モルタルと天竜の杉材の板で覆われている。
建物の中に入るとすぐにある、高い天井のホール。見上げると目に入る梁は、藤森照信率いる「縄文建築団」によりチェーンソーであえて荒く削り出し、バーナーで焼き色をつけたもの。白い壁との色の対比を強めるための工夫。
テラスに繋がる扉は、外の光と木のぬくもりが感じられるデザイン。
テラスも土壁や粗い切り出しの柱で構成される。
床や壁は、わら入り漆喰が使われている。
展示作品も建築も、それらが構成する空間すべてが洗礼された空気を持つ秋野不矩美術館。ぜひ一度訪れていただきたい。
入場料
■所蔵品展
一般(大学生・専門学校生を含む) 310円/20名以上240円/80名以上180円
高校生 150円/20名以上120円/80名以上90円
中学生以下・70歳以上/無料
障害者手帳等所持者とその介護者1名/無料
■特別展
展覧会ごとに料金を設定します。
※2023.06時点
基本情報
スポット名 | 秋野不矩美術館 |
営業時間 | 9:30〜17:00(入館は16:30まで) |
定休日 | 月曜日(月曜日が祝日の場合は開館、翌日休館)、年末年始等 |
決済方法 | 現金のみ |
住所 | 〒431-3314 静岡県浜松市天竜区二俣町二俣130 |
地図 | |
公式WEB | https://www.akinofuku-museum.jp/ |